一箇所で多彩なサービスを展開している小規模多機能型居宅介護では、臨機応変な対応を求められるケースが多々あります。基本的に利用者が自宅での自立した生活を送れることを目指しつつ、必要に応じて介護サービスを受けるという形になっているので、介護スタッフは要望に応じて臨機応変に対応する必要があるでしょう。しかし、一つの事業所で受け入れる利用者は29人以下という決まりがあるので、アットホームな雰囲気なのが特徴です。ずっと施設内で暮らすことにストレスや閉塞感のある高齢者を中心に人気が高まっており、介護の新しいサービスとして注目されています。
ただし、いくつになっても元気な高齢者もいれば、半年程で急激に体が悪くなってしまう高齢者も利用者の中にはいます。身体的な機能低下はもちろん、脳の機能が低下して会話が上手くできなくなるケースも起こると、自立した生活をサポートすることを目的とした小規模多機能型居宅介護の趣旨からは外れてしまいます。常時介護を必要とする場合は、有料介護施設のほうが妥当になるので、この辺りの見極めをしなければならないケースもあります。
そのため、小規模多機能型居宅介護で働くスタッフは、介護サービスを提供しつつ、常に高齢者の状態を見極める必要があります。多彩なサービスを同一施設で提供するということは、それだけスタッフに観察力が求められるということなので、慣れないうちは気苦労もありますが、その分やりがいは大きいかもしれません。